功利主義と分析哲学('10)−経験論哲学入門− 第13回 自然主義の拡張(講義メモ)

功利主義と分析哲学―経験論哲学入門 (放送大学教材)posted at 2012.6.28一ノ瀬 正樹放送大学教育振興会売り上げランキング: 256981Amazon.co.jp で詳細を見る 自然主義の興隆 ウイラード・オーマン・クワインの「自然化された認識論」について解説する。そし…

公共哲学('10) 第12回 デモクラシーと公共性(講義メモ)

公共哲学 (放送大学大学院教材)posted at 2012.6.29山岡 龍一,齋藤 純一放送大学教育振興会売り上げランキング: 297117Amazon.co.jp で詳細を見る デモクラシーと公共性 公共性とデモクラシーは不可分の関係にある。排除のない公共の議論は、政治的な意思形…

近代哲学の人間像('12) 第12回 マルクス主義(講義メモ)

近代哲学の人間像 (放送大学教材)posted at 2012.6.28佐藤 康邦放送大学教育振興会売り上げランキング: 525475Amazon.co.jp で詳細を見る マルクスの哲学 近現代世界に多くの影響を与えてきたマルクス主義であるが、それを哲学という角度から見直してみる。…

現代哲学への挑戦('11) 第12回 フーコーの生命政治(講義メモ)

現代哲学への挑戦 (放送大学教材)posted at 2012.6.28船木 亨放送大学教育振興会売り上げランキング: 401358Amazon.co.jp で詳細を見る 生命政治 フーコーは、18世紀後半に起こった出来事として、こころの扱いの変化については『狂気の歴史』を書き、からだ…

功利主義と分析哲学('10)−経験論哲学入門− 第12回 観察と不確実性(講義メモ)

功利主義と分析哲学―経験論哲学入門 (放送大学教材)posted at 2012.6.28一ノ瀬 正樹放送大学教育振興会売り上げランキング: 256981Amazon.co.jp で詳細を見る 帰納の謎 ネルソン・グッドマンの「グルーのパラドックス」を題材にして、帰納法にまつわる現代分…

堕落と環境について

ニーチェに関する講義をまとめながら、「堕落」ってなんだろかーとふと考えた。 僕はここ1年ほど、少額のネット収入を除いて、ほとんど収入のない生活を送っている。ニートとみなしていただいてなんら差し支えない状態。秋頃からまた仕事を再開しようとは思…

哲学史における生命概念('10) 第12回 ニーチェの思想(講義メモ)

哲学史における生命概念 (放送大学大学院教材)posted at 2012.6.28佐藤 康邦放送大学教育振興会売り上げランキング: 316483Amazon.co.jp で詳細を見る ニーチェの生哲学(1)力への意志 ヘーゲルの体系を最後として、哲学は人文科学の一領域に閉じこもるこ…

哲学への誘い('08) 第12回 森鴎外と小林秀雄(講義メモ)

哲学への誘い (放送大学教材)posted at 2012.6.28佐藤 康邦放送大学教育振興会売り上げランキング: 513271Amazon.co.jp で詳細を見る 第3部 文学と哲学(2)日本近代文学と哲学 森鴎外の「空車」という概念や小林秀雄のベルグソン解釈を通じて、日本近代に…

明日の当事者である自分のために@『困ってるひと』 大野更紗

困ってるひと (ポプラ文庫)posted at 2012.6.24大野更紗ポプラ社売り上げランキング: 275Amazon.co.jp で詳細を見る 大野更紗さん(@wsary)の『困ってるひと』が文庫化したようです。読んだのは昨年単行本が出た頃なのですが、ずっと上手いこと言葉にできず…

小説を読む意義なんてあるんですか?@『恋する原発』 高橋源一郎

恋する原発posted at 2012.6.18高橋 源一郎講談社売り上げランキング: 133468Amazon.co.jp で詳細を見る いうまでもないことだが、これは、完全なフィクションである。もし、一部分であれ、現実に似ているとしても、それは偶然にすぎない。そもそも、ここに…

痛みから解放されるための「酵素栄養学」

長生きの決め手は「酵素」にあった (KAWADE夢新書)posted with ヨメレバ鶴見 隆史 河出書房新社 2007-01 Amazon楽天ブックス今朝すこしばかりつぶやいた、「酵素栄養学」の本を1冊紹介しておきます。 酵素栄養学とはどんなものか? 酵素とは、消化酵素など…

「たとえ合理的であっても、原発は嫌だ」という立場をいかに作るか

天秤 / iyoupapa なにがキッカケかは分かりませんが、ひろゆき氏が反原発運動についての言及を長々としており、興味深く見ておりました。 西村ひろゆきさん @hiroyuki_ni 原発問題についてツブヤク - Togetter とにかく「合理的」にものを考える、実に彼らしい…

生活保護と不正受給についての基本的な事実

UX Help / betsyweber 生活保護という制度は、僕たち日本に住む者にとって非常に重要な制度です。同時にいくつかの問題を抱えたものでもあります。世間の関心が高まったことを良い機会と捉え、制度をめぐるごく基本的な情報をまとめてみました。次長課長・河…

キャラクター承認とコミュニケーション問題@『ゼロ年代の想像力』

平城宮跡 - Heijo Palace // 2010.10.07 - 42 / Tamago Moffle 「キャラクター」という言葉はいまやすっかり日常用語化しているが、考えるほどに、これはなかなかの曲者である。批評家・宇野常寛氏による次の指摘は重要だ。 ゼロ年代の想像力 - 宇野常寛 キ…

異物になるということ

There was this time... I was lost inside the #Pink and couldn't find a way out... I was the only One. / gogoloopie 昨夜パートナーと話していて、『異物になるって大事だよね』という話題になった。 彼女はいま女性ばかりの職場で働いているのだけど…

≪自由≫ < 自己責任の時代

ABC2011Winter_065 / TAKA@P.P.R.S 『君たちには無限の可能性がある』 みたいな話はよく聞くし、子供たちには可能な限りそう言ってあげたくなるもの。でもそれは、誰もが知っているように、方便である。客観的に見て、人々の選択肢は、各個人のもつ環境によ…

自己目的化するマナー。ルールに思考停止する日本社会

Canon FT finder. / MJ/TR (´・ω・) 最近の過剰コンプライアンス、「ルールだから守れ!」の風潮にうんざりしてきた。その関連でずっと違和感を持っているのがマナー問題だ。なんかもうマナー原理主義者(と思わず言いたくなる人物)が多すぎる。いまやマクド…

女/男が抱える「生きづらさ」の正体@『女ぎらい――ニッポンのミソジニー』

台中港_封閉的舊鐵道 / (Lily) 女ぎらい――ニッポンのミソジニー: 上野 千鶴子紀伊國屋書店のPR紙『scripta』での連載をまとめた一冊。ウェブ上で公開されていた頃(現在は削除されている)に読んだテキストが大変面白く、ずっと読みたいと思っていた本だ。よ…

「差別」じゃなく「区別」だ! 問題

関連テキストをまとめました。強調の一部は引用者によるもの。 差別と区別 - Yahoo!知恵袋 ベストアンサーに選ばれた回答 assocyさん本来、区別と差別はそれこそ区別すべきものですし、その理由については、多くの方が説明済みですが、問題は、「区別」とい…

アイドル=時代ごとの「リアル」の歴史〜タマフル的アイドル論 AKB48映画評メモ #utamaru

『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』 映画『AKB48ドキュメンタリー第2弾』公式サイト 話題の映画。アイドル文化に対する問題意識、関心を持つ人は必見かもしれない。AKBファンでない僕も、これは見ておくべきかもと…

パン時計はじまってました。

わーい おいしいパンのある生活がもっと楽しくなるパン時計がはじまりました。 おいしいレシピが時計になって、あなたの毎日を彩ります。 参考リンク 山崎製パン | パン時計

GAE/J+Slim3でPicasaへ画像アップロード

大いにハマったのでメモ。 ライブラリの取得 Java用のライブラリは以下から取得可能。 Client Libraries - Google Data Protocol guava-libraries - Guava: Google Core Libraries for Java 1.5+ Installing required libraries: Using Eclipse with Google …

ついに国会議員定数を削減か!?政党別議席数を試算してみた

国会議事堂 - Wikipedia 一票の格差是正に向けた、議員定数の削減が現実味を帯びてきました。 1票の格差是正 比例定数削減了承 NHKニュース 民主党は、政治改革推進本部の総会を開き、衆議院選挙のいわゆる「1票の格差」を是正するため自民党の案を採り入…

『空気よむ』プロジェクト〜一般意志2.0 実装実験

本日、『空気よむ』というサービスを公開しました。 ツイッター検索を元に、タイムライン上で言及されているキーワードをリアルタイムに抽出するサービスです。取得したツイートを個別に言語解析を行い、キーワードの出現頻度に応じて強調表示されます。*1 …

「アイツ付き合い悪いなあ」と言われない生き方

生ビール / june29 会社の上司・同僚との飲み会、学生時代のサークル飲み、僕はいずれも苦手だった。「面倒くさい」と感じることがとにかく多かった。僕はおそらく「付き合いの悪いヤツ」と思われていたし、自分自身でもそういう人間だと思っていた。 でも最…

『朝生』時代の終焉と、『ニッポンのジレンマ』の残念さ #NHK

元日にNHKで放送された『新世代が解く!ニッポンのジレンマ〜震災の年から希望の年へ〜』を見た。1970年以降生まれ、いわゆるロスジェネ世代の論客を集めた討論番組で、日本の政治・社会システムに対する「若い世代(僕らと同世代)の声」がじっくり聞け…

対話の限界と、その先にある新しい民主主義@『一般意志2.0』

東浩紀氏の新著『一般意志2.0』を読みました。 本書は、18世紀の思想家ジャン=ジャック・ルソーが提唱した「一般意志」を、現代の情報社会を背景に再解釈(二次創作)し、民主主義の新たな可能性を問い直した意欲作です。頭の整理のため、要点をまとめてお…

「人生は一度きり!」では変われない僕たち

『妻が亡くなるまでの全てと、その後の僕の全て』 という文章を読んだ。3000以上のブクマが付いた注目度の高い記事で、読まれた方も多いと思う。「結婚まもない夫婦。闘病期間わずか3ヶ月(肺ガン)で、妻を亡くした旦那さんの言葉」を綴ったもの。(現在は…

人々の「不安」が生み出す自己責任社会

渋谷 望(千葉大学文学部行動科学科准教授)氏のレポートを紹介した、以下のエントリーが面白かった。日本の現状を読み解く鍵になると思うので、いくつか引用。 ポスト総中流社会におけるナショナリズムのゆくえ 渋谷 望 - garage sale そこ(三浦展の『下流…

「オトナ」のせいにする大人たち

曾經,你是我的唯一 / Pearl Hsieh※2011/8/20 タイトルを変更しました。 子供の頃、僕たちは「オトナ」を敵視していた。 社会という得体の知れない巨大な存在、それを作り出したオトナたち。自分が望んだわけでは無いのに、既にそこに在り、そこで生きる事を…