「アイツ付き合い悪いなあ」と言われない生き方

生ビール
生ビール / june29


会社の上司・同僚との飲み会、学生時代のサークル飲み、僕はいずれも苦手だった。「面倒くさい」と感じることがとにかく多かった。僕はおそらく「付き合いの悪いヤツ」と思われていたし、自分自身でもそういう人間だと思っていた。


でも最近は「別に全然いいじゃんそれで」と考えるようになった。こう言うとコミュ力不足(笑)な人間の開き直りだと思われるのかもしれない。うん半分合ってる・・・!けども、僕が言いたいのはそういうことじゃない。「その付き合い、本当に必要ですか?」と一歩引いて問い直す重要性の話の方だ。


「付き合いが悪い」と言ってくる人のお決まりの二言目は、「多少面倒でもお付き合いだって大事」なるものだろう。でもよくよく考えると、それは誰にとって「大事」なのだろう?おそらくその言葉には、「会社員/サークルのメンバーとしてやっていくなら、その位の妥協や気遣いは必要だ」という含意がある。なるほどそうかもしれない。じゃあその前提を壊してしまうとしたら、僕らは自由になれるのではないか?


いま思えば、僕はそうした判断を下してフリーランスになったようなものだった。自分の実力に絶対の自信があるわけじゃないし、食いっぱぐれる不安も常に付きまとうけど、面倒な人付き合いをとにかく減らしたかった。実際、格段に減らすことができた。それに「仕事上の飲み会は楽しくない」というのも固定観念みたいなもんだったことにも気付けた。どんなコミュニティだって、魅力的な人も居れば特別親しくなりたくない人は居る。会社や仕事という括りのせいで、それらが分け難く、避け難くなっているだけのことで。フリーランスかつ派遣的な働き方の場合、会社組織の「外側」の人間なので基本的には必要以上に干渉されない。だから親しくなりたい人との接点を重視して増やすことができたし、自分で行きたい飲み会を選べる機会が増える。(勿論100%そうできるわけじゃなくて、会社員時代との相対比較での話)


「付き合い悪いヤツ」と言われない方法とは、面倒と感じがちになってきた関係は極力維持しないこと。おおなんて乱暴な!でもシンプルなひとつの解決策だと個人的には思っている。


「それが出来れば苦労しないよ」と言われるかもしれない。僕だって、「だからみんなフリーランスになりましょう!」などど言うつもりはない。ただ、「どこかで」苦労するのはもう仕方ないんじゃないかな。僕がいまのスタンスを貫くためにだって、かつてとは別な部分で苦労している。他者や組織に寄りかからない、それは時に孤独だし、収入面での安定感を得る努力は会社員を選んだ場合より遥かに大きい。要は優先順位の問題なのだ。苦労しない前提で考えたら何も選べなくなるだけだと思う。


僕の優先順位の付け方に共感できるかどうかはどうでも良いことだけど、自分の中で優先順位をきっちり持っておくことは誰にとっても重要だろうなーと思う。それは自分のためでもあるし、自分と価値観の違う他者と出会ったときにも役に立つ。その人の判断を受け入れられないとしても、「ああ、この人の優先順位は自分と違うんだな」と納得できることが増えるからだ。自分が苦労していることで苦労してなさそうな他者を見たときに、「アイツはズルい。楽でいいよな」と言う人がいるけど、きっとその人だって(あなたが考えないような)他の部分で苦心していると考えたほうが良い。他人(世間)の欲望を内面化して自分自身を規定することも、自分の判断基準を(世間の価値観と重ねて)他者に適用しようとするのも、どちらもストレスになるだけだし、そこにはきっと何もないんだよ。(そして良い迷惑だ)