ついに国会議員定数を削減か!?政党別議席数を試算してみた

衆議院議場
国会議事堂 - Wikipedia


一票の格差是正に向けた、議員定数の削減が現実味を帯びてきました。


1票の格差是正 比例定数削減了承 NHKニュース

民主党は、政治改革推進本部の総会を開き、衆議院選挙のいわゆる「1票の格差」を是正するため自民党の案を採り入れ小選挙区を0増5減する法案と、衆議院比例代表の定数を政権公約どおり80削減する法案を了承しました。


ただし野党、特に少数政党は政府与党のこの方針を批判しています。違憲判決まで出た一票の格差是正・無駄削減を国民が熱望するいま、なぜ野党は反対するのでしょう?きとくけんえき?

椅子が減って困るのは?

実は「議員定数の削減」と平行して議論されてきた「選挙制度の抜本改革」を今回は見送る方針で話が進んでおり、野党はそこに危機感を持っているのです。

衆院選挙制度:抜本改革を否定 岡田氏「時間ない」|毎日jp(毎日新聞)


ご承知の通り、日本の選挙は「小選挙区制」と「比例代表制」を組み合わせで行われます。小選挙区制は元々大政党に有利な仕組みなので、少数政党が議席獲得を狙えるのは比例代表制がメインになっています。その議席から80も削減されたら、たしかにダメージはデカそうですね・・!


というわけで、どのくらい各政党の議席数に影響があるもんなのか試算してみました。今回は、民主党が政権を奪還した2009年の衆議院選挙で議席が削減されていた場合を想定しています。以下のサイトを参考に。


まず小選挙区制では、削減対象になってる県いずれも、民主党自民党の議員が議席を獲得していました。なのできっと大きな影響はなさそう。

問題は比例区(定数180→100)です。日本の比例代表制では、ドント式という方法で得票数を元に各政党の議席数が決定されます。各ブロックごとの削減数を元に計算した一覧がこちら。そこから各政党の議席数への影響をまとめてみたのが以下の表です。(小選挙区の改正前結果もオマケでつけときました)






小選挙区・改正前

比例区・改正前

比例区・改正後

損失議席

民主

221

87

53

34(11.0%)

自民

64

55

31

24(20.2%)

公明

0

21

10

11(52.4%)

共産

0

9

4

5(55.6%)

社民

3

4

0

4(57.1%)

みん

2

3

2

1(20.0%)

国民

3

0

0

0

新日

1

0

0

0

諸派

0

1

0

1(100%)

無所属

6

0

0

0



300

180

100

80


社民党の比例全滅もすごいですが、諸派で唯一当選していた鈴木宗男氏も当選に届かないことになってしまいました。数の上では当然、民主・自民の議席損失が多いものの、中小政党は小選挙区比例区のトータルで半数程度の議席になってしまうためにインパクトが大きそうです。というか、改めて見ると上位三党以外の議席の少なさに愕然しますね…。


もちろん今回はあくまで試算ですが、仮に選挙制度に変更がないとすれば、二大政党制が強化される(=国民の多様な意見を掬いあげる精度が下がる)傾向であるということはできるのではないでしょか。
うーん、これは諸手を挙げて「削減マンセー!」と叫んでいいものか?