功利主義と分析哲学('10)−経験論哲学入門− 第12回 観察と不確実性(講義メモ)
帰納法をめぐる問題
帰納法=データを積み重ねて何かを知るというプロセス。確実な知識には原理的に到達できない(不確実性を完全に排除することは出来ない)。F.ベーコンの「単純枚挙」、D.ヒュームの「帰納の問題」――現象Aと現象Bとが恒常的に連接していたとしても、未来にもまた同様の連接が生じることは理論的には正当化できず、単にそれを信じるということに達するのみである――として古くから指摘されている。これが「経験による知識」の根本問題である。
「確証」=ある命題や法則に関して、(厳密に証明されることは不可能であると前提した上で、)経験的なデータを得ることによって、それが真理である度合いが高まること。