「痛み」を見えなくする力、乗り越える実践@『いのちの女たちへ』

いのちの女たちへ―とり乱しウーマン・リブ論posted with ヨメレバ田中 美津 パンドラ 2010-05 Amazon楽天ブックス 誰かの「痛み」に寄り添うとはどういうことでしょうか。田中美津氏にならって言うなら、まずなにより「己れの闇」を直視し、「痛みを感知」す…

パーソナルスペースについて──混み合い、匿名性、身体境界

IMGP2363 / Wry2010 立ちションできない男の子──男子トイレという恐怖空間 思いのほか多くのひとに読まれた上記の記事。自分にとって長年のテーマであるだけに関心を持ってもらえたことが嬉しかったし、共感的な反応が多かったこともまた予想外だった。とこ…

「商店街」の理念を再考する@『商店街はなぜ滅びるのか』

商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道 (光文社新書)posted with ヨメレバ新 雅史 2012-5-17 Amazon楽天ブックス 本書の冒頭、こんな話が紹介されている。 東日本大震災で大きな被害をうけた石巻市。旧北上川河口にある商店街も例外な…

悲しみの継承。その方法論としての観光@『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』

チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β vol.4-1posted with ヨメレバ東 浩紀,津田 大介,開沼 博,速水 健朗,井出 明,新津保 建秀 ゲンロン 2013-07-04 Amazon楽天ブックス 本書のタイトルにある「ダークツーリズム」とは何でしょうか。観光学者…

國分功一郎氏「たべもののポリティクス」講演メモ──食をめぐる各種論点と読書案内

知の航海2012 ぐるぐるエネルゴロジー たべもののポリティックス - 生活工房 三ヶ月ほど前になりますが、掲題の講演に参加してきました。たいへん有意義な内容で、聴講中たくさんメモを取りました。今後、食について考えるうえで大きな指針になりそうです。…

立ちションできない男の子──男子トイレという恐怖空間

20070511_180952_P5110010 / くーさん 30歳になった。ずっと読みたかった雑誌をパートナーがプレゼントしてくれたので、今日はその感想がてらエントリーを綴りたい。目当ての記事は、男子トイレという空間のもつ政治性について論じたエッセイ、「メンズ・ル…

明日の当事者である自分のために@『困ってるひと』 大野更紗

困ってるひと (ポプラ文庫)posted at 2012.6.24大野更紗ポプラ社売り上げランキング: 275Amazon.co.jp で詳細を見る 大野更紗さん(@wsary)の『困ってるひと』が文庫化したようです。読んだのは昨年単行本が出た頃なのですが、ずっと上手いこと言葉にできず…

小説を読む意義なんてあるんですか?@『恋する原発』 高橋源一郎

恋する原発posted at 2012.6.18高橋 源一郎講談社売り上げランキング: 133468Amazon.co.jp で詳細を見る いうまでもないことだが、これは、完全なフィクションである。もし、一部分であれ、現実に似ているとしても、それは偶然にすぎない。そもそも、ここに…

痛みから解放されるための「酵素栄養学」

長生きの決め手は「酵素」にあった (KAWADE夢新書)posted with ヨメレバ鶴見 隆史 河出書房新社 2007-01 Amazon楽天ブックス今朝すこしばかりつぶやいた、「酵素栄養学」の本を1冊紹介しておきます。 酵素栄養学とはどんなものか? 酵素とは、消化酵素など…

キャラクター承認とコミュニケーション問題@『ゼロ年代の想像力』

平城宮跡 - Heijo Palace // 2010.10.07 - 42 / Tamago Moffle 「キャラクター」という言葉はいまやすっかり日常用語化しているが、考えるほどに、これはなかなかの曲者である。批評家・宇野常寛氏による次の指摘は重要だ。 ゼロ年代の想像力 - 宇野常寛 キ…

女/男が抱える「生きづらさ」の正体@『女ぎらい――ニッポンのミソジニー』

台中港_封閉的舊鐵道 / (Lily) 女ぎらい――ニッポンのミソジニー: 上野 千鶴子紀伊國屋書店のPR紙『scripta』での連載をまとめた一冊。ウェブ上で公開されていた頃(現在は削除されている)に読んだテキストが大変面白く、ずっと読みたいと思っていた本だ。よ…

対話の限界と、その先にある新しい民主主義@『一般意志2.0』

東浩紀氏の新著『一般意志2.0』を読みました。 本書は、18世紀の思想家ジャン=ジャック・ルソーが提唱した「一般意志」を、現代の情報社会を背景に再解釈(二次創作)し、民主主義の新たな可能性を問い直した意欲作です。頭の整理のため、要点をまとめてお…

身も蓋もないふたりの本を読んでみたよ

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)西村 博之 扶桑社 売り上げランキング: 9673Amazon.co.jp で詳細を見るタイトルの話題に関していえば、ボリューム的にはごくわずか。序章でいきなり結論が述べられているように、主な話題はその結論に至るための…

自分、そして未来の子供たちのために

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)城 繁幸 光文社 売り上げランキング: 5154Amazon.co.jp で詳細を見る社会人4年目を迎えた私とって非常にタイムリーな1冊。 本書は「昭和的価値観」の根源にある年功序列制度の問題を指摘し…

ウェブ時代を生きる幸福感

私の未来はいま、希望に満ちている!そんな気分にさせてくれる1冊に出会った。 ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)梅田 望夫 筑摩書房 売り上げランキング: 3469Amazon.co.jp で詳細を見る 本書は、数年前にベストセラーとなったウェ…

経済っておもしろい

昨年あたりから政治・経済の話題をチェックするようになったのですが、世の中の動きを知ることはとても面白いですね。 ただ聞きなれない言葉や、耳にするけどよー分からん的なキーワードに当然出会います。それを逐一調べて、さらに興味が広がっていくのがま…