身も蓋もないふたりの本を読んでみたよ

タイトルの話題に関していえば、ボリューム的にはごくわずか。序章でいきなり結論が述べられているように、主な話題はその結論に至るための要素。ひろゆき氏目線の「インターネットの未来」論が面白かった。

2ちゃんねるニコニコ動画とネット文化の中心的人物でありながら、「ネットには必要以上に期待してない」というフラットなスタンス。特にウェブ進化論梅田望夫著)を読んだ直後ということもあって、梅田氏との視点の違いがモロに出ていて興味深い。冷めているというより、とにかくリアリストなのだ。

だけどそれがひろゆき氏の期待の裏返しのようにも思えるのだ。「梅田さんの話は所詮、理想論ですよね〜」と冷ややかに笑いつつ、想像を超える「何か」が起こった時に「そうきたか〜」と苦笑する自身の姿を、密かに想像し楽しんでいるかのような。悲観的視点の発言を繰り返しつつも、暗い気持ちを誘発しないのは、彼のそんな部分が見え隠れしているからではないか。って考えすぎかな?(笑)

私自身は梅田氏の異様なまでのポジティブな言葉は新鮮だったし、そこに「希望」を持ち未来を思い描くことに意義を感じている。と同時に、ひろゆき氏の理屈は至極最もで、自分の甘さを気づかされる部分が幾つもあった。

冷静な視点を与えてくれる良書です。ウェブ進化論(ちくま新書)と合わせて読むと面白いと思います。梅田氏との対談、ぜひ実現してほしいw