「都会は明るすぎたから、節電する位でちょうど良い」ってそりゃアンタは良いだろうけど・・

関東の計画停電で、東京もすっかり暗い夜が続いています。最近少しマシにはなったものの、新宿なんかはネオンの照明とともに活気まで失われちゃってますよね。


節電中のJR高円寺駅。2011/3/20撮影


とはいえ、現時点では多くの人にとってほとんど影響のない範囲です。むしろ、職場や友人同士の会話、ネット等、至るところで「東京は今までが明る過ぎた。このくらいでちょうど良いよね!」という声すら聞かれます。(ちなみに本日、夏前までは計画停電は原則的に実施しない見通しと発表がありました)


そう問題ないんですよ。
我々健常者にとっては。


「震災で東京がバリアフル都市になった件(障害者当事者の視点から)」 - Togetter

@dami_k ほんと、暗くなったよね。晴眼者は「このくらいの明るさで十分、今までが明るすぎた」って言うし、全盲の人は何も困らないらしいし。でも夜盲にとって暗いというのはとても怖い状態。だけど今、そんな「贅沢」を言える状態じゃないので、懐中電灯や白杖で工夫するしかない。
kano47 posted at 19:26:14


これを読むまで、私も弱視の人達の存在は全く意識の中にありませんでした。そして普段我々が意識しないレベルで、「バリアフル」な環境に直面している人達が数多く居る、この当たり前の現実に気づかされ、ハッとしました。本当に申し訳ない。


しかしこうして意見を眺めるだけでも、全ての人のニーズに応えるのは相当に難しいなーと思います。あまりの問題の難解さに、ついつい思考停止に陥りがちです。先の意見にも挙がっている通り、設計時点から想定しない限り、完全バリアフリーの都市は実現不可能でしょう。その意味でも、今回の被災地を福祉都市のモデルケースとして復興させる案は十分検討する価値があるでしょうね。


“生活支援生産性”の高い街作り - Chikirinの日記

「支援生産性の高い居住区」が作られれば、将来の現役世代の負担を下げ、一方で、経済力の低い人でも支援が受けやすくなる


特にこれからの日本では、福祉の効率化は必須だと思います。そしてそうした「福祉に特化した都市」に住むことを選択できる社会の実現が、少し現実味を帯びてきたような気がするのです。あまりにも凄惨な自然災害がキッカケ・・・というのは何とも複雑な思いです。しかしそれでも、社会のシステムを、そして私たち日本人のメンタリティを大きく変える好機と捉えて行くことが、いま何より重要ではないでしょーか。