高円寺に見る、Twitterの活用例

最近のツイッター界隈、特に地域振興のテーマで高円寺はちょっと注目されている雰囲気です。そこでこれまでの話題を大ざっぱにまとめてみることにします。

ルック商店街アカウント


なんと言っても今の高円寺の盛り上がりは、ルック商店街(@koenjilook)なしに語ることはできません。昨年の10/1に開設以来、順調にフォロワー数を伸ばして、現在2500名弱(3/17時点)。国内の商店街アカウントとしては、最大規模なんじゃないかと思います。ちなみにITMediaに掲載される直前のフォロワー数が1250人程なので、ほぼ倍増したことになりますね。すげー!


商店街がなぜつぶやくのか“Twitter商店街”の先駆け・高円寺ルックに聞く -ITMedia News


とはいえ、その時点で1000人を超えるフォロワーを集めていた事自体、注目すべきことでしょう。ルックアカウントを見ていてまず気付くのは、他の商店街と比べてとにかくつぶやきが多いです。1日平均20件、最高70件以上(Twilog Stats)と、個人アカウント並にツイートしています。また時間帯も深夜・早朝関係なくフォロワーと絡んでいたり、土日だからつぶやきもお休み、といったこともありません。


ITMediaの記事中でも中の人が語っていたように、ルックアカウントは個人として運営されています。中の人の裁量でゆるくつぶやき、フォロワーに近い距離感で絡んでいることが、親近感を与えファンを増やす要因になっています。当然無報酬ですが、逆に言うと仕事ではなく、運営者自身が楽しんでいなければできない事です。
Beck'sネタで盛り上がった事にしても、中の人がノリノリだったからこそ、あれだけの盛り上がりに発展したのは間違いありません。


JR高円寺駅のBECK'Sがアツイ! - トゥギャッターまとめ


また、「商店街」という枠の中だけではルック商店街以外のお店の応援はなかなかできないわけですが、「いち高円寺住人」としてのスタンスをあえて出している点も我々住人からするとごく自然で、好意的に映ります。

もちろん、どこの商店街も同じようにやるべきと言いたいわけではありませんが、企業アカウントの担当者にある程度の「遊び感覚」が求められるように、商店街や地域コミュニティとして取り組む場合にも、ルック商店街のようなスタンスはひとつの解になるのではないかと思っています。


実際に中の人・中澤さんとお会いしてみて、余計な力みなく、一方で常に試行錯誤を繰り返しているのを感じます。また、フォロワーが少ない時期は"発信力が弱い"と捉えるのではなく、"色々試して失敗できるチャンス"と話されているのも印象的でした。以下の@kazuyankの発言は、まさに今のルック商店街の姿として表れているなーと感じています。

@kazuyank
真似てるんじゃダメですね。自分なりに開拓して結果正解が同じだったのとは全然違います。 RT @nebokegao: ツイッターを宣伝のツールとして活かす以前に、やっぱり中の人自身がツイッターの楽しさを味わうことが大切だよね。サブウェイとかルック商店街を真似ても良いんだけど…
posted at 02:16:50

すごろくやの『買い物なうキャンペーン』


高円寺でもうひとつ大きな話題を呼んだのが、すごろくや(@sugorokuya)の『買い物なうキャンペーン』。


Twitterのフォロアー数に応じて割引してくれるボードーゲームのお店、『すごろくや』に突撃してきた! -IDEA*IDEA 〜百式管理人のライフハックブログ
Twitterのフォロワー数ぶん割引というボードゲーム屋で本当に割り引いてもらった -akiyan.com
Twitterのフォロワー数だけ値段を割り引くボードゲーム屋「すごろくや」に行ってきました -ギズモード・ジャパン
「フォロワー数×1円割引」――太っ腹な“Twitter割り”はなぜ可能だったのか -ITMedia News


当時の様子は色々なブログで紹介されているのでここでは触れませんが、私が考える2つのポイントは、

  • 『フォロワー数割引』という企画を1番最初に実施すること
  • その場で『高円寺の @sugorokuya でtwitter割引の買い物なう』とつぶやいてもらうこと

ですね。
見過ごされがちですが、特に2つ目が重要な点だと思います。「フォロワー数割引」というアナウンスをした時点で、リツイートの連鎖でキャンペーンの存在自体は広く知られることとなったわけですが、キャンペーン期間は2週間あるわけで、その間継続的にすごろくやの話題をタイムライン上に流し込む戦略としては理に叶っています。
「その場でつぶやく」という行為は、今回のキャンペーンの場合、大量フォロワーを抱えるユーザーの鬼畜行為を抑制する(笑)意味ももちろんあったわけですが、お客さんにキャンペーン参加と同時にお店のことを広めてもらうことの重要性はもっと注目されて良いのではないかと思います。店主の丸田さんの以下のつぶやきにも、そうした思いが込められているのではないでしょうか。

@kojimalta
店でつぶやいてもらうことに意味があるのになあ。

posted at 21:32:44


いわゆるツイ割として「ツイッター見たよ、で割引」というスタイルを取るお店は多いわけですが、クーポンの代用としてだけでなく、お客さん自身に企画にコミットしてもらい、さらに告知もできるツイッターの可能性はアイデア次第で幾らでも大きくなります。それぞれのお店が色々と面白い企画を考えてくれれば嬉しいですね。

お店のアカウント増加

   
ルック商店街を中心に、高円寺にあるお店のTwitterアカウントが徐々に増えてきています。こちらで確認している範囲で43のアカウントがリストに登録されています(3/17現在、ただしイベント用等も含む。店主個人アカウント等は除く)。


お店により利用スタイルは様々ですが、目立つ所ではメシモ(@koenji_meshimo)がランチや夜のおすすめメニューをタイミング良く発信してフォロワーを集めている印象がありますね。タイミングというのはちょっとしたコツなのですが、お店によって上手くいっているかどうかは結構差を感じます。

ツイートの鮮度は2分程度と言われるほど短く、ブログとは異なりツイッターでは時間帯・タイミングが非常に重要です。あくまで自分の体感ですが、個別のツイートをその時見てくれるのはフォロワー数の1/10程度ではないかと思います。そのため、昼〜夜まで今日のおすすめが提供できるような場合、数回程度、時間帯をずらして情報発信することが効果的ではないかと思います。


高円寺なうでは、リスト登録したお店のツイートを拾っており、眺めているとなかなか楽しいです。今後もっとお店が増えてくると、町の声が一層可視化されて面白くなりそうです。

コラボメニュー企画


中でも注目のお店は、豚骨らーめん じゃぐら(@tonkotsujagura)とクレープ屋Fucca Fucca(@fuccafucca)、どちらもルック商店街にあるお店です。


なにが注目かと言うと、ツイッター上で互いの店、そしてお客さんを巻き込んでコラボメニューを作ってしまったこと。経緯は以下のまとめをご参照ください。


ツイッターでクレープ革命!〜Fucca Fucca×じゃぐら@高円寺 コラボメニュー誕生経緯まとめ - トゥギャッターまとめ


流れをまとめてみて面白いなーと思ったのは、お客さんがいつの間にか、進んで宣伝部隊になっているんですよね。ツイッター上でやりとりすることで、お店の人の顔が見えて親近感が湧くわけですが、さらに一歩進んで企画のアイデア出しから公開・さらに参加してもらうことで、応援団として取り込むことに成功しているわけですね。もちろん自分も取り込まれたひとりですが(笑)
さらに今回はフリーペーパーHAPPY!高円寺に今回の企画が掲載されることになり、三重のコラボが実現しちゃいます!
まとめ内にもURLはありますが、キャンペーンの詳細は以下からご覧ください。


【ラーメン屋とコラボクレープ!?「じゃぐモコ」誕生!!】-Fucca Fucca


また、じゃぐら関連では別なコラボ企画もあったりします。自分がラーメン好きということもあって、こちらは割とリアルタイムに絡ませてもらい、とても楽しかったのを覚えています。『中の人をのせて天一インスパイアを作ってもらっちゃおう!』というイベントです(笑)


じゃぐら@高円寺 ツイッターでのやりとりで裏メニュー誕生!? - トゥギャッターまとめ


さらにじゃぐらさん発のアイデアを元に、高円寺なうにおもしろ画像を投稿する新機能(高円寺バウ)を作ってしまった逆コラボもあったりします。こうして出来たページをちょっとした遊びに使おうという企画もあり、自分の想像以上に発展していく状況に新鮮な感動を覚えています。

@nebokegao
高円寺バウは @tonkotsujagura さんのアイデアで実現した新機能です。ラーメン屋とWeb屋のコラボや!じゃぐらに負けない、楽しい画像お待ちしてまーす。
posted at 02:21:43


ラーメン屋、クレープ屋にWEB屋・・・。こうした異色のコラボレーションが今後も高円寺で起こっていくんじゃないかと思うとワクワクしますね。

高円寺Ustreamスタジオ

Twitterとの盛り上がりとはまた別に、Ustreamスタジオの設立でも高円寺は注目されています。こちらはencafe高円寺という会社が主催しているもので、ひとまず3月中の期間限定でスタジオ運営が行われています。


設備は持ち寄りでやっているようですが、スタジオ機能は日々充実しており、期待が集まっているように思います。ただ現時点ではコンセプトが定まっていないために、高円寺ネタの発信もまだまだ少なめです。自分たちとしても協力できる部分は一緒にやっていきたいと思っていますが、しばし状況を静観、といった感じ。

高円寺クラスタ

いろいろ挙げてきましたが、高円寺には自分の町を愛する人が多く、「お店や商店街を一緒に盛り上げよう!自分たちも楽しもう!」というノリが至る所から発生します。『高円寺クラスタ』とひと口に言っても実際には複数のコミュニティがあり、私がお付き合いさせていただいてるクラスタ以外でも、それぞれに高円寺を盛り上げようと、ゆるーくがんばってる感じですかね。


自分自身、オフ会にはちょっと恐怖心もあったし、ネット上の知り合いと実際に会うことに多少抵抗感を持っていました。でもいまはネット→リアルに、こうして自然に繋がっていく感覚を不思議に、そして心地良く感じています。ご近所さんとの関係が希薄になりまくってる現代と言われますが、逆にこれからはネットを通して近所付き合いが変わっていくんじゃないかなー。


もちろんポジティブなことばかりでは無いはずですが、それも含めて色々と試行錯誤していきたいですね。この続きはツイッターで!(ぉ